
私が牧場を作る事を志したのは十代の頃にさかのぼります。16歳の春、青森から津軽海峡を渡って北海道を旅しました。日高の牧場でお世話になった事が、その後忘れられない思い出となり、「いつか自分も牧場をやってみたい」と思うようになりました。
高校を卒業して、憧れの北海道にある酪農学園大学に進学することになりました。そこでは「肉牛研究会」というサークルに所属し、牛の飼育を勉強して、益々、北海道で「自分の牧場を持ちたい」という思いが募りました。
大学卒業が間近に迫った21歳の頃、大学の教授に将来の夢について相談した時、初めて“牧場を作るには何億もの多額の資金が必要である”という事実を聞かされ愕然としました。「何をやって、その資金を、稼ごうか」と途方にくれていた時、STV(札幌テレビ)の深夜放送から松山千春さんのなまったしゃべりと“大空の大地の中で”が流れてきた。「そうか田舎出身でもギター1本でやればできるんだ」私は決心しました。ダメもとで芸能界で一発勝負をかけよう。そして、いつかは牧場をやろう、その後はひたすら夢の為にテレビでの仕事に邁進する日々が続きました。
念願かなってようやく牧場を拓くことが出来たのが36歳の時です。十勝・中札内村に牧場をつくり、そこを「花畑牧場」と名づけました。憧れのニュージーランドのガーデンファームからこの名前を思いつきました。
牧場の敷地は23ヘクタール、7万坪(東京ドーム5個分)、そこにジャージー牛1頭を飼う事から始めました。今では、ようやく、チーズ生産、生キャラメルのヒットで、“手造りの花畑牧場”と認知して頂けるようになりました。